妻子持ちの彼に2年間片思い。結婚する前に一夜限りの関係に

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私の不倫体験をお話します。今まで誰にも語ることなく、封印してきた不倫というには余りもピュアな恋の物語です。

離婚したばかりで傷心の私に優しい言葉をくれた彼

私が、彼と出会ったのは、とある自治体で行われた観光キャンペーンでした。その観光地のキャンペーンガールのアルバイトとして参加した私は、自治体の職員である彼から注意を受けたのです。

「君の爪の色、なんとかならないか。赤過ぎる。それと髪も、もう少し黒くして。アルバイト代払っているんだから、こちらのリクエスト聞いてください」いきなり、歯に衣着せぬその言葉にカチンとしながらも、ぐっと涙をこらえて「申し訳ありませんでした」と頭を下げ、その日にリクエスト通りに爪も、髪の色も直しました。

無事に、キャンペーンも終わり最後の打ち上げの夜。彼は私に「僕のリクエスト、素直に聞いてくれてありがとう。君は素直な人だね」と言われ、思わず泣いてしまったのです。

実は、私、そのひと月前に、5年間暮らした夫と離婚したばかりでした。その時の理由が「おまえの気の強さにはついていけない。もっと、素直な、かわいい女がいい」と言われたのです。その時の言葉と正反対の彼の言葉に、私は胸が締め付けられる思いでした。

奥様も子供もいる彼に2年もの間、片思い

彼は、静かに私の離婚のいきさつを聞いてくれました。時間のたつのも忘れ、色々なことを話しました。彼は、私より18歳年上、もちろん奥様も子供さんもいました。そんな彼を私はいつしか好きになってしまったのです。

彼に会いたくて、彼の参加するイベントには私も参加しました。偶然を装い、彼の職場の近くで、待ち伏せをしたり、彼がゴルフが趣味だと知れば、ゴルフレッスンをお願いしたりしました。本当に彼が大好きで、とても尊敬できる人でした。でも、そこまで。

彼とは、決してそれ以上の関係になることはありませんでした。私がそっと重ねた手を、すっとはずす。そんな感じでした。そんな私の片思いの状態が2年ほど続いたころ、私にお見合いの話が持ち上がりました。バツいちの私にはとてもいい条件のお話で、年老いた両親のたっての望みでもありました。

一度だけ二人で旅行に行きたい。彼は私の希望を叶えてくれた

考えぬいた挙句、私はそのお話を受けることにし、彼にすべてを話しました。そして、最後に一度だけ二人で旅行に行きたいと・・・・・彼はしばらく考えていたようですが、了承してくれました。

訪れたのは、夏早い静岡にある小さな旅館。裏に小さな小川が流れており、蛍がたくさん飛んでいました。その幻想的な光景は、今でも私の心の目に焼き付いています。暗くした部屋の中で飛ぶ蛍、てのひらの中に止まった蛍のあかりにほんのり照らされた彼の顔。静寂な時がこのまま止まってほしいと、何度も思いました。

あれから20年。子供はいませんが、今の夫と静かに、幸せに過ごしています。でも、ときどきあの蛍の飛んでいる様を思い出します。同時にあの時の激しいわけではなく、静かに燃え、静かに消えた恋の思い出を。たぶんあれが私の人生最後の恋でした。